生理痛は仕方のないものとあきらめて、市販の痛み止めを飲んでいる方も多いと思います。でも痛み止めは、あくまでも痛みを緩和するだけで根本的な治療にはなりません。女性は一生のうち、およそ350~450回の生理が訪れます。これだけの回数、できるだけ痛み止めのお世話になりなくないと思いませんか?
生理で腹部に多少違和感がある程度なら大丈夫ですが、痛み止めを飲まなければならないほど痛むのは問題です。そのまま放っておくと病気に進む場合もありますので、早めにケアをすることが大切です。
生理痛などの婦人病は、血液の不足や血行不良が原因となり起こることが多いので、昔から「血の道」と言われています。血液は体を巡り、子宮にも栄養を運んでいます。過労や心労で血液を消耗したり、もともとに血液不足の体質では、子宮に十分な栄養が行き渡りません。更に、少ない血液では老廃物の処理も十分にできないので、血液はドロドロに汚れて子宮内の血行も悪くなります。言わば子宮の中がススだらけと同じです。内膜もうっ血し、レバーのような血塊を生じ、体外に出す際にきつい痛みの原因になります。
子宮内の血行不良は、血液不足の他にも、ストレスや冷えなどによっても引き起こされます。以下の表に、原因別の生理痛の特徴を書きました。それぞれの生理のタイプと血液の状態を確認しながら、体質と養生法をチェックしてみてください。
生理痛は、体質や生活習慣を見直して、養生することで根本から改善することができます。ただし、我慢できないほどつらい痛みの場合には、子宮内膜症などの病気が原因となっている場合もあるので、早めにお医者さんの診察を受けるようにしましょう。
生理痛の原因チェック!
【1】ストレスが原因で、気・血の流れが悪いタイプ
~ストレスを発散し、気・血の流れをよくしましょう。
■生理痛の特徴 |
■生理の特徴 |
■その他の症状 |
・生理前、生理中の下腹部の張り、痛み |
・経血の色が暗い |
・経血の色が暗い |
・よく使われる薬:冠元顆粒(かんげんかりゅう)、逍遙散(しょうようさん)
・おススメ食材:金針菜、ジャスミン茶、陳皮、黒キクラゲ、小豆など
【2】冷えが原因のタイプ
~体内、とくに子宮を温めて、血の流れを良くしましょう。
■生理痛の特徴 |
■生理の特徴 |
■その他の症状 |
・生理前、生理中の下腹部の冷え、痛み |
・経血の色が暗い |
・手足が冷える |
・よく使われる薬:婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、温経湯(うんけいとう)、窮帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
・おススメ食材:よもぎ、紅花、シナモン、しょうが、ネギなど
【3】エネルギー不足(気血虚弱)タイプ
~身体を温め、血を補い、しっかり栄養を摂りましょう。
■生理痛の特徴 |
■生理の特徴 |
■その他の症状 |
・生理の後半に痛みが強くなる |
・生理の周期が長い |
・疲労感 |
・よく使われる薬:婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
・おススメ食材:なつめ、ニンジン、鶏肉、豚肉、卵、ほうれん草、山芋など
*チェック項目の多いタイプが、あなたの生理痛の原因です。ただし、原因はひとつとは限りません。複合している場合も多く、ひとつのタイプに決められないこともあります。