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漢方について

お腹の脹りと痛み 男性30代

2008.06.18

悩み

 1週間前から仕事などで多忙で、その頃から食事をしたわけでもいないのに腹部に膨満感を感じたり、お腹が脹って痛んだりする。下痢と便秘を繰り返す。ストレスを感じると症状は悪化する。以前から時々この症状に悩まされるので、体質に関係があるのかもと思い来店。もともと食べても余り太れない痩せ型の体型。食後は眠くなる。軟便・下痢気味でお腹を壊しやすい。疲れやすい方でどちらかというとカゼをひきやすい。肩や首がよく凝るなど。

お薬

 肝の働きを助けストレスを発散し、気滞(きたい)と呼ばれる気の滞りを無くすことで胃腸症状を改善するお薬を2週間分、約3,500円。次に、お腹の脹りなど症状が緩和したら、体質改善として胃腸の働きを強化しストレスに負けない体力をつけるお薬をメインに、血行を改善するお薬を併用する。お薬2種類で1ヶ月分、約12,000円。

経過

 服用から3~4日後にお腹の脹り・膨満感は無くなった。お通じの方もやや軟便になったりするものの、かなり落ち着いた。1週間後には、「もうほとんどお腹も脹ることもなく、助かりました」と気滞症状が無くなったので、体質改善として胃腸の強化のお薬に変更した。

 1ヵ月後、「食事が美味しく感じます。体力がついてきたのかもしれませんが、あまり疲れを感じなくなったように思います。肩こりも減りましたよ」と良い兆候を話してくれました。その後も体質改善を続けながら経過をみていますが、お腹の脹りは出なくなったようです。

メモ帳

 何か食べたわけでもないのに、お腹にガスが貯まったように脹りや膨満感を感じ、中には痛みまで訴える方がみられます。漢方ではこのガスや空気が貯まったような症状を「気滞」(きたい)によるものと考えます。本来ならスムーズに体内を巡る「気」が詰まったり巡りが悪くなって停滞して膨らんで貯まる状態を気滞と呼びます。

 この気をスムースに巡らせるのは「肝」の働きですが、過度のストレスや疲労などから肝の働きが失調すると、気が巡らず気滞を生じてしまいます。また、肝は胃腸の消化吸収を助ける働きもあるので、肝の失調は軟便・下痢・便秘・腹痛など胃腸症状にも現れてきます。ですから、先ずは肝の働きを整えることが必要です。

 更にこの方の体質として胃腸虚弱がありました。胃腸の弱い方は、漢方で「気虚」(ききょ)というエネルギー不足の体質です。体力がなく病気になりやすい、そして気滞症状を起こしやすいタイプです。こうしたタイプの方は、肝の働きを整えるだけでなく体質も改善していく事が大切です。

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