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漢方について

足の裏のほてり・不眠 男性70代

2010.10.20

悩み

 以前から足の裏がほてり、半年前から寝つきが悪い日があり、少々不眠ぎみである。日によって寝付きが良い日もあるのだが、足のほてりだけはなくならない。慢性的な肩こりにも悩む。その他、抜け毛・白髪が多い、排尿障害など。

お薬

不眠症パンダ 相談の結果、体の潤い不足と血行不良の体質がみられました。

 ①体に潤いを与える生薬と、心を安らかにする生薬が配合された*「補腎薬」(ほじんやく)

 *「補腎薬」(ほじんやく)・・・老化症状に関わる「腎」系の内臓の働きを補い、 足腰のだるさ・痛み、頻尿あるいは尿が出にくい、目や耳の衰え、物忘れ、白髪・抜け毛など、様々な老化症状の予防・改善に用いる薬のこと。補腎薬にはいろいろなタイプがあるので、体質・症状などに合わせて適切なものを選びます。

 ②血行を改善するお薬

 以上2種類をそれぞれ1ヶ月分、合計で約1万2千円

経過

 1週間後、「お陰様でお薬を飲み始めてから、以前より一層気持ちよく眠れています。」と 御礼の言葉を頂きました。不眠症状の程度もそれほど重くないこともあると思いますが、 早めに良い経過を聞けてうれしかったです。

 2週間後~1ヵ月後、「足の裏のほてりは、あまり感じなくなって来ました。肩こりも楽になってきたので、血行もよくなったのでしょうね。良い体調の維持に、引き続き漢方薬を続けたいと思います。」と話されました。その後も継続して服用して頂いています。

メモ帳

 乾燥した季節には火事が起こりやすいように、人の体も潤いが不足すると体がオーバーヒートして熱がこもりやすくなります。すると、手のひら・足の裏・胸(心臓)などにほてりを生じます。

 また、漢方では「心」(しん)は精神活動に関わる内臓としているため、心に熱がこもると気持ちも落ち着かず、寝つきが悪くなったりします。このような場合、体に潤いを与えてこもった熱をクールダウンします。そして、「心」を養う潤いや血液を補うことで、気持ちを落ち着かせて寝つきを改善します。(ただ、潤いが必要と言って水分補給をどんどんすれば良い意味ではありません。かえって水分代謝が悪くなることもあります。)

 今回のお客様は70代と年配の方で、ほてり・不眠の他に、排尿の問題や白髪などの老化症状もありました。歳をとると様々な老化症状が現れてくるのは自然なことですが、本人にとってはつらい症状もあります。

 漢方では、老化症状の改善・予防には「補腎薬」をよく使いますが、補腎薬のタイプは大きく分けて以下の2つのタイプがあります。どちらのタイプも腎系の内臓の働きを強化するのは同じですが、温める性質か、潤す性質かの違いがあります。

①体を温める力を強化するタイプ

 老化症状+手足や腰の冷えを感じる方に適しています。

②体の潤いを補うタイプ(今回の方はこちらです)

 体の潤いが不足して手足のほてりやのぼせなどを感じる方に適しています。

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