水虫の人には嫌な梅雨。自分専用の足拭きマットにスリッパ。悲しくなります。痒みはツライし、周りからは「うつさないで!」と避けられます。治そうと薬を使っては再発を繰り返す。ここまで、あなたが水虫に好かれる原因は、あなたのその体質にあります。水虫菌はどこにでもいますが、誰にでもうつるわけではありません。ジメジメが大好きな水虫菌は、居心地のよい人を選びます。
①ジメジメ体質の人
胃腸が弱い方は、胃腸の水分代謝が悪く、もたれ・下痢などを引き起こすだけでなく、全身の水分代謝も悪くなり、水虫菌も繁殖しやすくなります。舌に厚い白い苔があるのは水分代謝が悪いことを示しているので要注意です。
②皮膚粘膜が弱い人
皮膚・粘膜は病気の侵入を防ぐバリアです。水虫が繁殖する時は多くの場合、抵抗力が弱まっています。そこで水虫菌は簡単に侵入し、繁殖します。カゼをひきやすい・汗をかきやすい・肌が弱い・すぐ疲れるという方は要注意です。
漢方では、外用に「華陀膏」(かだこう)という軟膏を使います。痒みを和らげ皮膚の新陳代謝を促して奥の水虫を追い出します。足の踵など硬い部分の治療では、痒みが消えても3ヶ月ほど根気よく塗り続けることが必要です。そして内服薬で、体質改善を行います。水分代謝を良くするには「勝湿顆粒」(しょうしつかりゅう)を、皮膚・粘膜を強化するには「衛益顆粒」(えいえきかりゅう)などを使用すると良いでしょう。養生では、胃腸に負担をかける冷たいもの・脂もの・水分の摂り過ぎに注意です。
パンダのオマケHP版
水虫に好かれる体質
中年男性の病気のイメージが強い水虫ですが、最近では革靴や蒸れやすいブーツ・パンストの普及によって女性でもかかる人が増えています。治療のポイントは、水虫菌は皮膚の深い場所にまで入り込むので、痒みが消えても根気よく治療することと、梅雨の湿気など季節の影響を考えながら、水虫に好かれる体質を治すことです。
水虫に好かれる人(体質)をいくつか紹介します。タイプ別に対処しましょう。
①胃腸の水はけが悪い人
コラムで紹介したジメジメ体質です。
体が冷え気味で冷たいものなどで下痢しやすい人は、勝湿顆粒など。
口が苦い・便が臭う・体が熱っぽい人は、星火温胆湯・瀉火利湿顆粒など。
②皮膚・粘膜が弱い人
体表のバリア(抵抗力)が弱いので水虫に侵入されやすいタイプ。
すぐ疲れる・汗をかきやすい・カゼをひきやすい・花粉症があるなど。
皮膚・粘膜を強化する衛益顆粒がおススメです。
③血行が悪い人
瘀血(おけつ)と呼ばれる血液ドロドロタイプでは、手足など末梢の血行不良を生じます。すると、皮膚の新陳代謝が悪くなるので、免疫が発揮できなくなり、水虫がなかなか治りません。
顔色がくすんでいる・首や肩の凝り・頭痛・足が冷たい・生理痛など伴う人は、血液をサラサラに改善する冠元顆粒などを併用すると良いでしょう。
日々の養生は、治療の効果を上げるのに重要です。
①暴飲暴食を避ける
胃腸の働きを損ねないように、脂っこいもの・甘いものを食べ過ぎない、冷たいもの・水分・生ものなどを控えましょう。
②湿気の多い環境や、冷房など人工の環境を避ける
水虫菌は湿度の高い環境も好みます。冷房が強いと代謝が低下して血行が悪くなるので、水虫もなかなか治りません。
③患部は清潔にして、乾燥させる
マットやスリッパは頻繁に洗い、日光で十分に乾燥させましょう。通気性の良い靴や、サンダルを選ぶことも重要です。
④部屋をきれいに掃除する
水虫(白癬菌)は角質のケラチンを栄養源にしています。ケラチンを多く含む皮膚・爪・毛などがあると水虫はのびのび生きていけます。お部屋はキレイに!