ダイエットをしてもなかなか成果が現れなくて悩んでいませんか?実は肥満には2つのタイプがあり、ダイエット方法も違います。
A栄養過多のタイプ
このタイプの方は、食事量をコントロールして、運動もすれば上手くダイエットできます。
B代謝が悪いタイプ
このタイプの方は胃腸が弱く老廃物が排泄されずに体に残ってしまい、ふとり(むくみ)ます。
「えっ、ふとっているのに、胃腸が弱い?」と思うかもしれませんが、胃腸は食物から栄養を取り入れるだけでなく、老廃物(ゴミ)を排泄する器官でもあります。もし、胃腸の弱い人がAの人と同じダイエットをして必要な栄養を摂らないと、胃腸はさらに弱り、ゴミを排泄する力を失って体にため込んでしまいます。疲れやすい・浮腫やすい・ぽっちゃり体型・便秘や下痢しやすいという人は要注意。また、カロリーを減らそうと水やお茶・果物・サラダのような生ものや冷たいものばかり摂っていると、胃腸を冷してしまい脂肪が燃やせません。体力も低下して、十分な運動を行うことさえできなくなり、ますますふとってしまいます。
対策は、胃腸を強化し、熱エネルギーを補うことです。生ものや冷たいものは控え、良く噛んで食べましょう。鶏肉は体を温め筋肉を付けるのにも有効です。胃腸が元気になると筋肉や血液が作られ、代謝が活発になるので体のゴミも減ります。漢方薬では、胃腸を強化する香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)や、体を温める参茸補血丸(さんじょうほけつがん)などを、代謝の悪い体質にあわせて使います。
パンダのオマケHP版
代謝の悪いタイプいろいろ。コラムであげた胃腸虚弱のほかにも、代謝の悪いタイプがあります。
①胃腸虚弱のタイプ
特徴・・・疲れやすい。むくみやすい。あまり食べないのに太る。
処方・・・香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)など。
胃腸は栄養を吸収するだけでなく、老廃物を排泄する器官でもあるので、胃腸が弱いと老廃物をため込んでしまいます。また、新陳代謝を活発にするには熱エネルギーが必要で、それを補充しているのが胃腸です。胃腸が丈夫でないとこうした働きができなくなります。
②ストレスによるタイプ
特徴・・・お腹が脹り、ガスが出ると楽になる。我慢することが多く、ストレスをため込んでいる。
処方・・・開気丸(かいきがん)など。
ストレスは胃腸の働きに悪影響を与えるので、これも肥満の原因になります。 ストレスを発散するのは「肝」です。肝には胃腸の消化吸収を助ける働きもありますが、ストレスを受け続けるとこれが出来なくなるので代謝が悪くなります。
③血液不足のタイプ
特徴・・・顔色が白く、乾燥肌。手足が冷える。肌に青白い血管が浮いている。立ちくらみなどの貧血様の症状。髪がパサつく。
処方・・・婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)など。
④血行不良のタイプ
特徴・・・顔色がくすんでいる。頭痛・肩こりなどがある。体が硬い。皮膚に血管が浮き出ている。
処方・・・冠元顆粒(かんげんかりゅう)、血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
③、④のように、血液が不足していたり、サラサラと流れていなければ、老廃物を洗い落とすことができず体にため込んでしまいます。また、血液の状態は肌に現れますので、美容面にも影響してきます。老廃物をきれいに洗い落とすには、①血液が十分にあり、②サラサラ流れる、この2つが同時に必要です。
女性は生理・出産など血液に関わることが多いため、血液不足による血行不良を生じたタイプが多くみられます。その場合には、血液を補う薬と血行を改善する薬を併用します。代謝が悪い体質や原因には、以上の他にもいろいろタイプがあります。ダイエットをしても結果が出ないという方は、まずは自分の肥満のタイプと体質はどうなのか、漢方の薬局・専門家に相談してみて下さい。