中医学では、「邪気(じゃき)の勢いが、からだの正気(せいき)より強いと発病する」と考えます。「正気」(せいき)とは、人の生命活動を維持する基本的なエネルギー・物質のことです。
正気の種類には、気・血・津液があります。正気を西洋医学的に考えると、からだの抵抗力とか免疫力にあたるものです。これに対して「邪気」(じゃき)とは、からだと反りが合わない不都合なものです。場合によっては人体に悪影響を与え病気を引き起こすものです。自然界の異常な気候・ウィルス・細菌・ガン・代謝不良で生じたコレステロールなどの病理産物などを指します。
発病の主なパターンは、
1.正気の不足や機能が低下して、からだ抵抗力が下がり病気になる。
2.正気はあり抵抗力はあるが、それ以上に邪気が強い
3.正気が弱い上に、邪気も強い。一番発症しやすいケースです。
(普段から虚弱でカゼを引きやすい人があっという間にインフルエンザに感染するなど)
発病のパターンを図で表しました。矢印の大きさは正気の充実度・邪気の勢いです。
A.発病しないケース:正気と邪気が拮抗する。
・・・邪気と折り合いをとって寄せ付けないため発病しない。
・・・発病しても邪気と闘争し回復できる。
B.発病するケース:いずれも正気が負けてしまうので発病する。
1)邪気は強くないが、正気が衰退している。
2)正気は正常でも、邪気が強力である。・・・インフルエンザの強いウィルスなど
3)正気も弱く、邪気も強い。・・・最も発病しやすいケース