午前10時~午後6時30分 日曜・祝日定休

TEL.0256-62-2057

漢方について

青空の下のプチうつ

2007.06.11

 5月も終わり、梅雨に入る前の爽やかな青い空の下、気分はルンルンですか?えっ、ちょっとお疲れ気味?春からずっとプチうつ?!こんなにいいお天気なのに、疲れてやる気がでない・気持ちがブルーで沈みがち・忙しすぎてイライラ・不安を感じるのには訳があります。

 春は職場や学校・家庭の環境が変わる季節。時間が経って新しい仕事や顔ぶれに少し慣れて落ち着いてきた頃、忙しかった仕事や行事・ストレスのツケがひょっこり顔を出します。「ちょっと無理して頑張ったかなぁ」という人は、いわゆる五月病になりがちで、頑張る生活に一息入れないと引きずってしまいます。本当に自分だけの時間を少しとって、体と心の疲れを癒しましょう。漢方薬にもそうした働きのものがあります。

 漢方では、精神活動は心が主宰するとしています。日本でも”こころ”と読みますよね。しかし気持ちや情緒の安定には、多くの要素が関係しています。肝は、全身の気を巡らせてストレスを発散します。非常に忍耐力の強い臓腑ですが、長くストレスを受け続ければ肝臓も疲れて、気がめいり、気持ちが塞いでしまいます。肝に沢山の血液があり、栄養されることにより、気分をノビノビさせることができます。

 また、肝臓に貯蔵された血液は全身も栄養します。春から仕事で無理をしたり心労が重なれば血液を消耗して全身の血液不足となります。脳の血液が不足すれば考えられずイライラします。心の血液が不足すれば”こころ”が落ち着かず不安感や不眠を生じるなど精神面にも影響します。ストレスを発散し、肝の血液を補うのには「逍遙丸」(しょうようがん)がよく使われます。

 血液不足が顕著な場合は、体や目の疲れ・貧血・めまい・立ちくらみなどを生じます。このような場合には血液を補う働きを強化する目的で「婦宝当帰膠」(ふほうとうきこう)を併せて使います。

 ストレスや疲労は胃腸の働きも低下させます。胃腸の働きが低下すると栄養を体内に取り込むことができなくなるので、体は益々弱くなり不安感が募るようになります。食欲不振・軟便などの胃腸虚弱の症状を伴う場合は「帰脾錠」(きひじょう)などを併用して体と心の疲れを癒しましょう。

 プチうつを引きずって「もしかしてうつ病?」と思い込む前に、この春の生活を振り返ってみてください。衣替えとなる6月。ジメジメした梅雨に入る前に、気持ちスッキリ、リフレッシュしましょう。

こちらのコラムもオススメ