悩み
秋になってここ半月くらい、寝つきが悪く眠れない。疲れは感じない。頭がモワ~ンとめまいのような感じがする。ヒザや足が冷えて重だるい。下半身にむくみ。後頭部から首にかけてコリと痛みを感じる。目が充血しやすい。口の中が粘り気持悪い。ふだんは朝食を摂らず夕食の量が多い。濃い味付けのものを好む。小水は夜に多い。人から勧められて毎日2L以上水を飲むようにしている。体型は肥満型。
お薬
体にたまった余分な水分と熱を取り除いて心・脳の興奮を抑える漢方薬と、心を安らかに養うナツメを配合した健康食品の2種類を14日分。水分代謝が悪い体質に加えて、水の飲みすぎによる症状も併発しているので、水分摂取を控えて、ノドが渇いた時に少し飲むくらいにする。朝食をしっかり食べて、夕食は少なめにする。熱を生む濃い味つけのものは控えるなどアドバイス。
経過
服用から1週間後、「よ~く眠れました!寝つきだけでなく、睡眠も深くなった感じがします。」と来店されました。服用前に、余分な水分が体内に長く停滞すると、痰のような粘った水分となるので取り除くのに時間がかかります。先ずは1ヶ月じっくり服用して下さいと話していたので、早めに効果が現れてこちらも嬉しかったです。
メモ帳
不眠のタイプには大きく分けて2つあり、漢方薬も使い分けをします。
①体の余分な水分・熱によって、興奮して眠れないタイプ。
②体に必要なエネルギーや血液が不足して、心の栄養不足から眠れないタイプ。
今回は、①体内の余分な水分と熱が原因となるタイプです。
漢方では、胃腸の働きが弱ったり、水分の摂り過ぎ、高い湿度やストレスを受けると、水分代謝が悪くなって「湿邪」(しつじゃ)と呼ばれる体に病的な水分がたまると考えます。湿邪が長く停滞すると、頭や体が重だるい・めまい・むくみや水太りなど、体のあちこちに悪影響し、精神に影響すると不眠・憂うつ感・イライラなどの原因になります。水分は体に大切なものですが、体に取り入れる水分量は人(体質)により・季節・土地柄によって調節しなければなりません。余分な水分による症状がある時に、毎日2L以上もの水分を摂れば症状が悪化するのは当然です。水分摂取を控えるべき時もあることを理解してもらいたいと思います。
更に、ストレス・食べすぎ(特に脂っこいもの・濃い味付けのもの)・飲酒などにより生じた熱が湿邪に加わると、「湿熱」(しつねつ)となり心や脳を興奮させるので、夜になっても落ちつかず寝つきが悪い原因となります。ふだんから飲酒癖があり、寝酒をしないと眠れないという方にも多いタイプです。アルコールに頼るのではなく、体にこもった熱や水分を取り除きましょう。