一律にこのくらいの服用期間ですというものではありません。
よく聞かれる質問ですが、漢方薬の服用期間は、その人の体質・年令、病気の性質、病気になってどれくらいの期間が経過しているかによって異なるので、一律にこのくらいの服用期間ですというものではありません。
一般に漢方薬を希望される患者さんは慢性病の方が多いために、気長に飲まないと効かないというイメージがあるようです。確かに漢方薬には、慢性病の体質を改善する多くのお薬があります。そして一般の方が使う機会が少ないためか、あまり知られていませんが、漢方薬には急性病に使うお薬もたくさんあります。例えばカゼのような急性病では1日2日で効果が現れます。
それに対して慢性病の場合は、長い期間をかけて現在の体質と病状になっているため、それを治すには時間がかかります。それでも自分に必要な漢方薬をまじめに服用し、食事や生活の養生をしっかり行うことで、個人差はありますが一ヶ月ほど経過するにつれて反応が現れます。正しい服用方法や養生のアドバイスなどは、専門家にきちんと相談して下さい。
そして漢方薬を長い期間服用する場合には、体質も少しずつ変化していきますので、時々からだの状態について相談して、その時々の自分に応じた漢方薬の内容や服用量を調整してもらいましょう。
漢方薬は症状を改善するだけでなく、同じ病気を繰り返さないように予防する働きを持つものも多くあります。予防を兼ねる漢方薬の場合には、その時々のからだの状態や季節性などにあわせて処方を調整しながら長く続けて飲んでも良いでしょう。