悩み
生理前になると、顔のアゴの部分に赤いニキビがブツブツできる。腫れて痛みを伴うものもある。腫れが治まっても、暗い色のニキビ痕が残って治りにくい。その他、シミが多く気になる、疲れやすい、慢性的な肩こり、情緒不安・憂うつ・イライラ、生理前に胸が脹る、むくみやすい、下痢と便秘を繰り返す、冷え性・立ちくらみ・髪にツヤがなく、抜け毛・白髪が目立つ・疲れ目・ドライアイ・乾燥肌など。
お薬
①熱を冷まして赤いニキビの炎症を治療するお薬
②熱を冷ましながら、ストレスを発散するお薬
③血液を補うお薬
④血行不良を改善するお薬
以上4種類を服用期間(毎日服用の薬、生理前~生理後服用の薬など)と服用量を調整して、1ヶ月分 約1万4千円。
経過
3週間後、大きく腫れたニキビがなくなった。ぽつぽつと小さいニキビだけになり、痛みもなくなった。立ちくらみも無し・便秘が改善・からだが温かくなってきた・肩こりも楽になる。「ニキビが減ったこともそうですが、イライラした気分も減って、あちこち悪かった体調がみんな少しずつ良くなってきたのが嬉しいです。今までどこを治せばいいのか分からなかったのですが、からだはみんな繋がっているんですね。」と話してくれました。
2ヵ月後、生理前にニキビができることはなくなった。ニキビ跡も目立たなくなってきた。顔色も以前より血色よく見える。疲れにくくなり元気である、目・髪・爪・肌の状態も良くなった。この後、③血液を補う薬+④血行を改善する薬の2種類に減らして継続。体調は良好です。
メモ帳
ニキビ(吹き出物)にはいろんなタイプがありますが、赤いニキビ(吹き出物)は、からだや患部に「熱」がこもって炎症が強いため生じます。対処治療は、熱を冷まして炎症を治すことですが、どうして熱がこもるのか?その原因をつきとめないと根本的な解決にならず再発を繰り返してしまいます。アゴや頬にできやすいニキビはストレスによるものが多く、女性の場合にはホルモンバランスとの関係が密接と考えられます。
生理との関係を考えてみましょう。生理になると、血液が子宮に集まるので体のあちこちで血液が不足します。
①肌・皮膚での血液不足
肌への栄養・潤いが不足するだけでなく、ゴミ(老廃物)も代謝できなくなるので、熱やゴミがたまりニキビや肌のトラブルの原因となります。
②脳や肝臓の血液不足
脳で考えることができないとちょっとした事でイライラします。 また、漢方ではストレスの発散は「肝」の働きと考えます。肝の働きが悪くなるとストレスを発散できなくなりイライラします。イライラ・鬱々は、体に鬱熱(うつねつ)という熱を生じるため、こちらも肌のトラブルの原因になります。このように生理前はイライラして熱がこもりやすくなるので、血液不足の体質の人は一層ニキビや肌トラブルを生じやすくなります。
今回の方の自覚症状は血液不足によるものが多く、そのほかエネルギー(気)不足や血行不良による症状もありました。ニキビ跡が治りにくいのは、エネルギー(気)や血液が不足しているので、お肌の修復ができないからです。暗い紫っぽいニキビ跡や色素沈着は、血液循環が悪いことを意味します。シミの原因には紫外線・老化・そしてこの血行不良があります。
「肌は内臓の鏡」と言われます。何か肌にトラブルがある場合、何度も再発を繰り返す場合には、対処的な治療だけでなく、体の内面の事も考えてみましょう。