悩み
2ヶ月前からのジンマシンに悩み来店。毎日、手首~腕、足、腹部などに発症し、かゆみを伴う。朝・夕~夜に発症しやすく、特に寒さや冷えの刺激ですぐ発症する。西洋薬のアレルギー薬を頓服で服用中。その他の自覚症状は、疲れやすく、カゼをひきやすい、汗かきやすい、やや軟便気味、時に頭痛、頭重感、めまい、冷え性で温かい物を好む、時々胃痛を感じる、去年の健康診断で貧血といわれ、時々立ちくらみがする。小児ぜん息の病歴あり、現在も咳がでやすいなど。
お薬
①皮膚を温めながら、風邪・寒邪を取り除き、発疹症状を治療するお薬。
②肺・胃腸の働きを補い、衛気(えき)と呼ばれる体表の抵抗力を増すお薬。
以上、2種類をそれぞれ2週間分。(1ヶ月分 約1万5千円)体を冷す飲食・薄着などの生活を避け、体を温める養生をするようアドバイスする。
経過
2週間後、じんましんは、2日に1回程度に減ってきた。胃痛・めまい・頭重はなくなった。たまに頭痛。同処方を更に2週間。更に2週間後(来店から1ヶ月後)、ジンマシンは出なくなった。「お陰さまで、全然出なくなりました。ありがとうございました。」と喜んで頂きました。
今度は冷え性と立ちくらみなど貧血様の症状を改善したいと相談されて、現在は、腎を強化し気血を補うお薬と、衛気を増すお薬を併用して服用されています。(1ヶ月分 約1万円) 腎の強化は、抵抗力となる衛気や熱エネルギーとなる陽気を補うので、 寒冷の刺激に負けない体を作り、再発を予防します。
メモ帳
寒冷ジンマシンの対処療法として、外因である寒冷の刺激を取り除きます。ただし中医学では、外因だけでなく発症しやすい体質の問題(内因)も重視して、寒冷の刺激に負けない体質に改善する治療もします。
このケースでの体質の問題は、①衛気不足と、②陽気不足です。
①衛気(えき)不足
衛気とは気(エネルギー)の1種で、体表をバリアのように覆い、汗腺の開閉や、体表を温め、外界の刺激から体を守るものです。衛気が不足すると、気温の変化に弱くなり、寒さに対する抵抗力も落ち、カゼをひきやすくなります。
②陽気(ようき)不足
陽気は体を温める熱エネルギーになります。腎の働きが弱いと陽気が不足するため、低体温や冷え性などの原因になります。
ですから、寒冷ジンマシンの根本治療として、体表の抵抗力となる衛気を補い、そして腎を強化して体を温める陽気(熱エネルギー)を補います。