悩み
不安感、あせり、パニック発作など。8年前に流産、その後 体調を崩し精神的にめいるようになった。現在、抗不安薬と抗うつ薬(とん服)を服用中。赤ちゃんを授かりたいが、これまでの事があり、悲観的に考えてしまう。こうした不安な気持ちを漢方で少しでも落ち着かせることができればと来店。
■付随症状
全身がだるい、疲れやすい、立ちくらみ、胃腸が弱い、緊張しやすい、イライラ、神経質、寝てもスッキリしない、手足の冷え、腰痛、のぼせやすい、月経血が少ない感じ、経血の色が黒っぽい、生理痛、生理前に胸が脹る など
お薬
①最初は、不安感の改善・消耗した体力の回復を目的として、
・血液とエネルギーを補うもの
・血行を改善するもの
・自律神経に関わる肝の働きを助け、ストレスを緩和するもの
・心を養い、精神を安らかにするもの
・その後、妊娠・出産に関わる腎の働きを強化するものを加える
以上4~5種類 1ヶ月分 1万8千円~2万5千円
②気持ちが落ち着いてきたら、妊娠しやすい体づくりを目的として、
・上のお薬のうち、腎の働きを強化するものを2種類に増やす。
・基礎体温表をチェックしながら、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期それぞれの役割を十分に果たす助けになるよう、期間ごとにお薬を変えて調整。
以上6種類 1ヶ月分 2万5千円~3万円
経過
先ず不安感などの改善を目的に、服用から3ヶ月、この間、身内に病人が出て、看病と心配でとても疲れた。以前なら倒れそうなところ、何とか持ちこたえることが出来ました。これもきっと漢方を飲み始めた効果ですねと話される。その後、手足の冷えが改善、体力がついてくるとともに、気持ちの方も少しずつ落ち着いてきた。抗不安薬などを徐々に減らしていく事をお医者さんと相談してもらう。
半年後、パニック発作は出なくなった。抗不安薬はここ2ヶ月飲んでいない。精神的にも安定してきたので、不安感を改善する処方を維持しつつ、今後は妊娠しやすい体づくりを目的とした処方に徐々に調整する。
妊娠しやすい体づくりをしてから1年後、妊娠。妊娠を維持するための処方に変更。妊娠初期には出血(止血作用のものを併用)、その後つわりにも悩まされましたが、 何とか乗り越えられて、このたび無事にかわいい赤ちゃんを出産されました。
産後しばらく経った後、来店されて「おかげさまで無事に出産することができました。本当にお世話になりました!」と御礼の言葉を頂きました。このお客様は、流産の経験があるので、ちゃんと出産できるかとても心配されていました。不安な気持ちを乗り越えて、よく頑張られたと思います。無事に産まれて良かった!私どももお役に立てて嬉しいです。本当におめでとうございました!
なお、産後すぐから、出産で消耗したエネルギーと血液を補うお薬を飲んでもらっています。出産後の母体は衰弱した状態ですので、産後の体調不良・産後うつなどの予防に、産後は不足した気血をしっかり補って養生することが大切です。