悩み
学生時代から生理痛に悩む。毎月生理前~前半の痛みがきつい。鎮痛剤の服用あり。その他、頭痛・肩こり・手足の冷え・寝つきが悪い・夢をよく見る・目の疲れ・乾燥肌・唇がカサカサする・お通じは軟便気味で下痢しやすいなど。
お薬
生理痛の特徴と経血の状態、症状と舌の状態から、瘀血(おけつ、血流の滞り)・血液の不足・胃腸虚弱の体質がみられました。胃腸が弱いと栄養が取り込めず血液も作れません。胃腸を丈夫にするお薬、血液の材料になる生薬の当帰が多く配合されたお薬、そして滞った血流をサラサラに改善するお薬、以上3つの漢方薬を1か月分。
経過
1ヵ月後、生理痛はまだあるが、少し軽くなった気がする。頭痛はなく、肩こりも軽くなったなど症状は少しずつ軽くなってきた。軟便気味だったお通じも、しっかりした便に変わり始めた。胃腸が元気になってきた良い傾向です。同処方で再度1か月分。
2ヵ月後、はっきりと生理痛が軽くなったことが自覚できる。「長い間悩まされた生理痛だけど、女性は仕方がないのかなと諦めかけていました。軽くなるだけでも信じられない気分です」と喜んでいただきました。10年と慢性化していますので、まだまだ治療には時間はかかりますが、子宮筋腫などの病気の予防のためにも、少しずつ健康な体にしていきましょうと話しました。同じ処方で服用を継続中です。
メモ帳
漢方では、生理痛はほとんどない、あるいは痛みがあってもさほど気にならない程度が自然と考えます。きつい生理痛を放っておくと子宮筋腫・子宮内膜症・不妊症などに進む心配があります。ただの生理痛と軽く考えないようにしましょう。
漢方で考える痛みの原因として、
①スムーズに流れるべきものが停滞する・・・血液では血流が滞る瘀血にあたり、生理前~前半にきつい痛みを生じます。
②栄養されない・・・血液が不足すると子宮などが栄養不足になります。生理の後半~終わり頃になるとシクシク痛んだりします。女性の場合は、瘀血と血液不足をあわせ持つことがほとんどです。
ですから、血液を補いながら血流をスムーズにして瘀血を改善することが大切です。
鎮痛剤の服用で、その時の痛みはおさえることができても、根本的な痛みの解決にはなりません。生理痛や頭痛の症状があり鎮痛剤を常用していると、胃腸を弱める原因の1つになります。そして胃腸が弱い→血液の材料を取り込めない→血液不足になる、という悪循環になります。毎月の痛みを少しでもやわらげていきたい方、根本的に改善したい方には、漢方薬の服用をおすすめします。